大学に入って初めての夏休み。
僕はあり余る時間を有効活用しようとアルバイトをすることになりました。
小遣いを稼ぐ為です。
新聞広告に載っていた飛脚がトレードマークの運送会社での検品作業というもの。
僕は家の近くにあったその倉庫のアルバイト第1号ということで勤めることになり、
冷暖房完備で重労働もさほど無い非常にいい環境でした。
パートのおばちゃんと一緒に衣料品の検品や箱詰め、配送です。
時給は900円で、
今思えば長期でやったバイトで一番時給が良かったです^^
当時の福岡ではいいほうだったと思います。
休憩時間もきちんとあって、
雇用保険などの福利厚生もさすがにしっかりありました。
倉庫業だったのですが、
それほど肉体労働もありませんでした。
あまりバイトをやったことがなかった私には、
お金を持つということがすごく嬉しく、
使い道を考えるのがすごく楽しかったです。
毎日出金カードを見ては今日はいくら稼いだ、
今日までのトータルはいくらだと計算していました。
「こんなに簡単にお金がもらえるんだ。」
若い僕は単純にそう思っていました。
友達もできて毎日朝から晩まで働いて、
バイトが終わった後は食事をしに行って、
朝まで遊びました。
世間知らずの僕は、
その頃から次第に雇われ思考へと育っていきました。
良くあるパターンですね(爆)
毎日同じ作業の繰り返し。
トラックで運ばれてきた衣料品を検品し、
箱詰めして所定の場所に積み上げていく。
朝から晩まで積み上げていく、
それが普通でした。
荷物が積み上がっていくと同時に、
お給料も積み上がっているかのようでした。
その前にやっていた掃除のバイトとはうって変わって、
綺麗な場所で人と会話しながら高時給。
言われたことをちゃんと守っていれば怒られることもありません。
単純作業なので間違うこともあまりありません。
「運よくこの仕事ができてよかったな~^^」
そんな安易な気持ちでした。
世の中そんなもので、
全然違う仕事だとその内容を簡単には比較できない。
なんですが、
長い間その仕事をやり続けていくうちに段々と不満を持つようになるんですね。
何でですかね。
どんな仕事にも不満ってあると思いますが、
結局やらされてるのが当たり前の状態になっちゃうと不満体質になっていきます。
あれだけ楽しかった検品作業や配送作業が苦痛へと変わっていきます。
毎日毎日同じ作業の繰り返し。
検品、箱詰め、積み上げ。
まるで会社の為のロボット…
荷物が少ないときなんかは、
時給を稼ぐ為になるべく時間が掛かるように作業をゆっくりとやって時間をかけました。
次の月の給料日、
今まで手にしたことのない金額13万円を手にし、
僕の大学生活初の夏が終わっていきました。
そこに楽しさや嬉しさはなくなっていきました。
もともとその契約で雇われているんです。
労働というものを提供し、賃金をもらう。
文句とか言う立場ではありません。
嫌なら辞めればいいんだし。
誰でもできる仕事をし、
何のスキルも手に入らず、
わずかばかりのお金を手に入れました。
一方で他の友人はPHSや携帯が世の中に売れ始めた頃、
販売員のアルバイトをやっていました。
営業のアシスタントです。
時代の流れにうまく乗って沢山の契約を取り、
アルバイトでありながら100万円近い報酬をゲットしていました。
大学の近くに一人暮らしをし、
仕送りをもらって生活をしている上に、
更に考えられないくらいの金額を稼ぐという光景を目にし、
友人ではあるものの遠い人のように見えましたし、
羨ましい気持ちや不安のような気持ちが沸いてきました。
それは社会人になっても同じような状況が起こりました。
僕は「おらぁぁぁぁー!」と言いながら(嘘です。でも気持ちはそんな感じです!)、
必死に自動販売機に缶コーヒーを怒涛のごとく投入していきます。
1個売れれば100円の売上。
月の売り上げは六百万円くらい。
僕は1ヶ月の間に自動販売機に6万本の缶コーヒーを投入していました。
1日あたり2千本~3千本。
1箱30本入りなので、80箱前後。
そして、手取り給与は18万円程。
その頃には「何かが違うんだよな~」ってよく考えていました。
ちょっと考えれば簡単なんですが、
僕は労働思考に完全に固まっていたので全く気づきませんでした。
僕はこの思考にとらわれ、
以後ず~っと長いことこの思考のまま20代を過ごすことになります。
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こんばんわ
ランキングから来ました
お金の教育はやはり必要だなと
全く勉強しなかった今では後悔しまくりです・・・